聖心美容クリニックが賠償金支払い：悪徳美容クリニック増加の原因

2025年1月8日

施術のリスク説明せず ― 「聖心美容クリニック」の賠償金支払いが決定

2025年1月7日、東京地方裁判所が、美容施術のリスク説明を怠ったとして聖心美容クリニックに賠償金支払いを命じる調停を確定しました。この事案では、患者の女性が施術後にしこりができるなどの被害を受けたにもかかわらず、クリニックがリスクを十分に説明していなかった点が問題視されました。

裁判所は、クリニックが使用した「フィブラストスプレー」という製剤が皮下注射として推奨されていないにもかかわらず、そのリスクについて説明を行わなかったと指摘。これにより、施術の安全性と説明責任に関する問題が浮き彫りになりました。

患者の女性は「裁判所の決定が今後の被害を減らし、苦しんでいる人たちへのきっかけになることを願っている」と語り、同様のトラブルを防ぐための対策の重要性を訴えました。

日本の美容医療業界は急成長していますが、その裏で悪質な美容クリニックが増加し、患者の信頼を損ねています。料金の不透明さや過剰な広告が患者を混乱させ、不必要な治療や高額な請求が問題視されています。

また、保険診療をほとんど経験せずに美容医療に転職する「直美（ちょくび）」の増加も、美容医療の質低下を招く一因となっています。

以下の問題点が医師の美容医療への流れを加速させています。

美容医療では、保険適用外の自由診療が可能であり、診療内容や料金を自由に設定できます。また、医師は患者と直接やり取りし、収益を上げやすくなります。

美容医療は、保険診療よりも労働時間が短く、収益性が高いため、医師にとって魅力的な選択肢となっています。美容医療では、夜間勤務や当直がないことが多く、快適な労働環境が提供されています。

SNSの普及により、医師は自分の仕事やライフスタイルを共有しやすくなりました。美容医療の医師がSNSで成功したライフスタイルを公開することで、他の医師も転職を考えるようになります。これにより、美容医療への転職が加速しています。

女性医師が美容医療に流れる理由として、妊娠・出産・育児といったライフステージの影響が挙げられます。美容医療では柔軟な働き方ができ、子育てと仕事の両立がしやすくなっています。

美容医療は正しく行われれば、患者の自信や生活の質を大きく向上させる力を持っています。しかし、一歩間違えば身体的・精神的な被害を受けるリスクもあります。

以下のポイントに注意して、安全な美容医療を受けるための参考にしてください。

ネット上のレビューや口コミだけでなく、医療関連団体に登録されているか確認しましょう。

美容医療以外の診療経験を持つ医師は、総合的な視点から治療を提供できる可能性が高いです。

極端に安価な治療や、即日効果を謳う広告には注意が必要です。後で高額な医療費を請求されることが多々あります。

可能であれば、1つのクリニックの意見だけではなく、複数のクリニックでカウンセリングを受けて比較検討しましょう。

美容医療業界が信頼を回復し、安全で質の高いサービスを提供するためには、業界全体の意識改革が必要です。また、個々の医師も患者との信頼関係を重視し、適切な情報提供を行うことが求められます。

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